霊視解説 運命の出会い

第2回思わぬ場所で思わぬ相手と幾度も顔を合わせたエピソード[2]

お見合い

偶然の悪戯で、出会うはずのない人と何度も再会してしまうという不可思議な話。続いてご紹介するエピソードは高齢出産でまだお子さんが小学生のために何かと忙しい奥様、松尾さんの体験談です。大学を出たての20代初めの頃、事業経営者である父親の頼みで、取引先の社長の子息とお見合いをさせられることになった松尾さん。しかし、彼女には当時すでに恋人がいたため、何とかして断りたいと考えた挙げ句、ある行動に出たそうです。

お見合いの話を断ってから10年後、その時の相手と想像もしなかった再会を果たし…

松尾里江子さん(仮名)・50歳・埼玉県在住

今から25年以上も前の話になります。

当時、私は関西の4年制大学を出たばかりの身で、卒業後は大企業の下請けが大半を占める地方メーカーで働いていたのですが、そこの経営者は私の父でした。学生時代は大阪か東京の企業で働くことを夢見て、一生懸命に就職活動を続けたのですが、恥ずかしながら内定ゼロという結果に終わり、しかたなく身内に拾ってもらったわけです。

入社に際しては父から「どうせ嫁に行くまでの腰掛けなんだから、俺の秘書役でもやっていれば良い」とかなり無神経な言葉を吐かれ、悔し紛れに拒絶して経理課に配属してもらいました。卒業した高校が商業でしたので、その時に学んだ簿記の知識が活き、仕事の段取りなどにはすぐに慣れましたが、仮にも社長令嬢である自分がいきなり職場に飛び込んできたことで、課長を初めとする課内の皆さんはさぞやりにくかったろうと思います。なにぶんにも当時は右も左も分からない小娘で、未熟ゆえに人間関係の機微にも疎くて、色々とご迷惑をお掛けしました。

そんな私にいきなりお見合いの話が持ち上がったのは、勤め始めてから2年半が経った初秋の頃でした。相手は父の取引先の社長の子息で、年齢は私より5歳年上の長男坊。つまり、そこの会社の跡取りでした。その人が何かの用事でうちの社へやって来た時、たまたま私の姿が目に留まって、一目惚れのような感じで気に入ったそうです。やがて私が取引先の経営者の娘であると知り、自分の父親を通じて私の父へ打診してきたとのことでした。

父から話のあらましを聞き、その場ですぐに断りました。じつはその頃、私には真剣に交際している相手がいたのです。しかし、父はそのことも薄々気づいていたはずなのに、わざと先方には一言も告げず、にべもなく撥ねつけてもなお執拗に食い下がってきました。一種の政略結婚を狙っていたみたいです。

「あまり堅苦しく考えず、ちょっと顔を合わせておしゃべりするだけで良いから」と、無責任な言い草を押しつけられ、挙げ句の果てには勝手にお見合いの日時まで決めてしまう始末で、たちまち私は追い詰められました。

母は昔から父の言いなりになってきた人なので、相談するだけ無駄でした。「こうなったら家出しかない!」と、一時はそこまで思い詰めましたが、あまりにも無謀で幼稚だと反省し、別の手段に訴えることにしました。

密かにお見合い相手の男性と連絡を取ったのです。自分には恋人がいることを、相手にきちんと告げるつもりでした。でも、電話だけで済ませるのはあまりにも失礼だと思い、わざわざ時間を作ってもらって直接会いました。

土曜日の昼下がり、待ち合わせ場所へやって来た男性は、知的で物静かな感じの人でした。父親の職業柄、会社経営者の御曹司は何人か知っており、ほとんどがお金や身分を鼻にかけるいけ好かない人種だったのですが、そういうのとはまるでイメージが違っていて、例えれば真面目な学校の先生のような雰囲気をたたえていました。

(社長の跡取り息子にも、こんなタイプの人がいるんだ…)

これまで何度かうちの会社へ来たことがあったらしいのですが、人柄はともかく顔立ちは印象の薄いタイプだったので、それで見覚えがなかったようです。失礼とは思いつつも「初めまして」とご挨拶しました。

お見合い話を断りたい旨をその理由とともに正直に話すと、向こうはすぐに納得してくれて、「ご事情は分かりました。この度は唐突なお話を持ちかけて、大変ご迷惑を掛けてしまったようです。誠に申し訳ありません」と、丁寧に頭を下げてきました。

「ただ、お宅の社長…いえ、お父様のお顔は立てなくてはいけませんよね」

「いえ、そんな。私にその気がないのに勝手に話を進めたのは父ですから、そこまでのお気遣いは無用です」

「そういうわけにはいきません。こんなことを申し上げるのは僭越ですが、御社との取引ではうちが専ら客側ですから、このままではお父様のメンツが丸潰れになります。ですから、今回はこちらからお断りするという形にさせてください。父には『やっぱり、気が変わったから止める』とでも言っておきますから」

「そんな…それじゃ、あなたが悪役になってしまいます!あまりにも申し訳なさ過ぎます…」

「あはは、悪役なんてそんな大げさな。僕はただ、自分のワガママで始まった騒動を丸く収めたいだけです。御社とうちの間におかしな亀裂を生まないためにも、それがベターな形だと思います。お願いですから、そうさせてください」と、そんな風にやんわりと押し切られ、あちらの提案に従うことになったのです。

翌々日の月曜日、社長室へ呼び出され、父に「見合いの話は白紙になったから」と素っ気ない口調で言われました。密かに安堵する私の表情を読み取ったらしく、「おまえ、何か余計なことをしていないだろうな?」と睨まれましたが、それ以上、追求されることはありませんでした。

その後も3年近く父の会社に籍を置いていたのですが、交際を続けていた恋人との結婚を反対されたことをきっかけに躊躇なく辞め、ついでに実家も飛び出しました。元々、父とは反りが合いませんでしたし、会社の方も年の離れた兄が継ぐことが決まっていたので、自分自身の糊口を凌ぐこと以外には憂うことは何もなかったのです。しかし、この早計な決断を機に歯車が狂いました。

同じ時期、工業系のデザイナーをしていた恋人の男性が東京の会社に引き抜かれ、私も一緒に上京。そのまましばらく同棲したのですが、最後は向こうの裏切り行為が発覚して破局。30代を前にして、慣れない都会で独りぼっちになってしまったのです。

会社を継ぐ予定の兄夫婦に子供が生まれて父母と同居する話も聞いていたので、駆け落ち同然で飛び出した娘が今さらそこに戻ることはできませんでした。そこでしばらくは派遣会社に登録し、短期の職場を転々としながら、正社員として雇ってもらう道を模索しました。

幸いあの頃はまだ、昨今ほど厳しい就職状況ではなかったので、学生時代に面識のあった都内在住の知人に口利きしてもらい、ほどなく正規社員としての勤め口を得ることができました。新たな勤務先はアパレル系の製品を作っている工場の事務所で、ここでもまた簿記の知識と資格が役立ちました。そしてそのまま地道に勤めて5年が経ち、職場の上司や先輩たちからもある程度の信頼を得始めた頃、そのうちの1人から「紹介したい男性がいるんだけれど」と持ちかけられました。

その人は「いきなり2人で会うのも何だから」とわざわざパーベキューパーティを開いてくれて、その場に私と相手の男性を呼んでくれたのですが、当日にその当人と顔を合わせた瞬間、あまりの驚きで声すら出ませんでした。その男性、10年前に私の身勝手でお断りしたお見合いの相手だったのです。

私と同様に向こうもかなり驚いた様子で、しばらくは顔を見合わせたまま、無言で立ち尽くしていたように記憶しています。やがてお互いの気持ちが落ち着いてから、10年間の身の上話を披露し合いました。

彼の父親が経営していた会社はその後、同業種の大手に接収されて、以前のオーナー企業ではなくなったそうです。そして親会社から新しい経営陣が入ってきたのを機に彼自身は会社を離脱し、東京で工業素材関係のベンチャー企業を興したと。元々は大学院で化学系の勉強をしていた研究者肌の人であったことも、この時に初めて知りました。

「まだ僕を含めて3人しかいない会社なんですけれどね」と、昔と変わらぬ学校の先生のような風情で屈託なく微笑み、こちらもつい釣られて笑ってしまいました。

この日を境に交際が始まり、その翌年の暮れに入籍しました。結婚後しばらくは子供ができなかったのですが、40の声を聞く頃にようやく第一子が産まれ、今では小学生の男女2人の母親です。毎日、2人の子供の世話に追われながら、人生というのは本当に分からないものだとしみじみ感じています。

10年前、私の姿を見ただけですぐに結婚したいと考えたのはなぜかと訊ねると、彼は決まって同じ言葉を返してきます。「上手く説明できないんだけれど、誰かの声が聞こえたような気がしたんだよね。『この人がオマエの結婚相手だ』ってさ。俺、別に霊感があるわけじゃないし、何かが降りてくるって体験もそれが最初で最後なんだけど、今ではこうして一緒にいるわけだし、あんまり深く考えなくても良いんじゃないの?」だそうです(笑)。

【遠隔霊視による解説】

花染 霊能者の先生の見解

まさに奇縁としか言いようのないお話です。昔の恋人とヨリが戻って結婚したという、いわゆる復縁や復活愛に関する体験は案外とよく耳にするものですが、見ず知らずの相手とのお見合い、しかもそれ自体が成立しなかった人と10年あまりのブランクを経て再会し、そのままご夫婦となったケースというのは、鑑定実例としてもまた私的にも今まで聞いたことがありません。

個人的にも興味が湧いたので、松尾様とご主人様とのご縁を霊視させていただいたところ、まず前世では間違いなくご夫婦として添い遂げ、そのひとつ前の過去世ではご姉弟の関係であったことまでが分かりました。こうした極めて近しい魂の持ち主同士というのは今世でも当然、結ばれる確率が高いわけですが、そうなるまでに長い月日がかかったのは、前世で起きたある悲劇的な出来事が影響していたのかもしれません。

お2人の魂が転生していた時代と場所は戦国期末期の関西地方で、その時にご主人様は豊臣家ゆかりの武士として生きられていたようです。折しも大坂冬の陣、翌年には夏の陣が起こり、豊臣家は徳川家康に滅ぼされてしまったわけですが、ご主人様はこの最期の夏の陣の際に大阪城に籠城して戦ったうちの1人だったのです。しかもその場では戦死を免れたものの、落城後に行方不明となってしまいました。恐らく徳川側の残党狩りを恐れて、いずこかに潜伏していたものと思われます。

ご夫妻が再会できたのはかなり高齢になってからで、晩年の数年間を共に暮らした後に相次いで亡くなっているのですが、この時の空白期間の悲しみがとくに奥様の側に強く刻み込まれ、図らずも今生で再現されてしまったように感じました。

過去世記憶が現世に及ぼす影響については、スピリチュアル系の著作などでも様々な形で説かれていますが、その記憶や行動パターンは必ずしも整合性が取れる形で再現されるわけではなく、むしろ矛盾に満ちた現れ方をします。時には自ら過去の悲劇を繰り返そうとする傾向も見られ、そうした部分をどのように受け止めるのかが前世カウンセリングの要点とも言えます。

松尾様がお見合いを断った理由は、当時すでに恋人がいたからですが、この点を深掘りするとわざわざそうした状況を選んで、前世の伴侶との出会いが起きたのではないかとも思えるのです。松尾様の魂は前世で置き去りにされた時の恨みを、ささやかながらに晴らそうとしたのかもしれません。子供が親に拗(す)ねて甘えるような、相反的で複雑な感情の現象化とでも申しましょうか。いずれにせよ、霊魂レベルの意志の働きを完璧に解釈するのは不可能なので、これ以上の言葉を費やすのは野暮となります。

今後もご家族の皆様が末永くお幸せであることを祈願し、コメントを終えさせていただきます。

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