動物霊がもたらす怪奇現象と霊的教育について【前編】
こどもは、とくに自分に害がないにも関わらず、好奇心から虫や両生類をいじめる、あるいは殺すことがあります。小さなこどもであれば生命に対する理解力がなく、仕方のない面もあるでしょう。しかし、善悪に対する分別のつく小学生、しかも高学年あたりでもこうした行為が止まないケースは問題があります。なぜなら、いけないとわかっていての「あえて」の行為だからです。
行為自体の問題も大きいですが、心の問題も小さくありません。何らかの不満や孤独感から、こうしたある種の残虐行為を行っている場合もあるのです。また、小さな命を奪う歪んだ楽しみに取り憑かれた場合、やがては犬や猫、果ては人間を傷付ける、最悪は殺すところまでエスカレートしてしまう危険性があります。そうならないために、霊的教育は重要です。
今回は、カエルを殺すことが日常化してしまったこどもに起こった怪奇現象と、こどもを殺生の罪から守る教育について、ご紹介したいと思います。
カエルを殺していたこどもに起こった祟り
わたしがこどもの頃に、占いをしたり霊現象に困った方々をケアしている主婦の方がご近所におられました。なぜかわたしを非常にかわいがってくれて、さまざまな話を聴かせてくれたことを憶えています。その方を仮にA さんとします。Aさんは、ある日わたしにこんな話をしてくれました。
「〇〇町に住んでいるBくんを知っている? 」「あの子、夜になると四つん這いになって、部屋中を飛び回るんですって」。
Bくんは同じ小学校に通っており、同学年でしたが、同じクラスになったことはない子でした。わたしは、「わかるけど、よく知らない」と答えました。AさんはBくんのおかあさんから相談を受けていたのです。「こどもが夜になると、四つん這いで部屋を飛び回って困っている。ドタバタとたいへんうるさく、近所迷惑なのでやめなさいと注意すると、『止まらないよ、助けて! 』と叫ぶ」という相談内容でした。
「うちの子から聞いて知っていたんだけど、Bくんはカエルの皮膚を剥いたり、殺したりしているからね。祟られているのよ。カエルを殺すことを止めさせない限り、その現象は治まらないでしょうね」。「カエルにも命があるの。だからそういうことをしてはいけないのよ」。Aさんはわたしにそう教えてくれました。
Bくんは原因不明のかゆみに襲われ、掻き壊しで全身の至るところが赤剥け状態になっていたそうです。Aさんは、「カエルの皮膚は濡れているでしょう? そんな風にしてカエルを殺していることを親に教えようとしているのよね」とも話していました。
その後、わたしは偶然道でB君にすれ違って驚きました。Bくんの目が左右に離れ気味になっており、心なしか青ざめていたからです。祟りが顔付きまで変えてしまう。その恐ろしさに身震いしました。
こどもの変化を見逃さないようにしよう
Bくんには、まだ手のかかる小さな弟と妹がいました。おかあさんはふたりにかかりきりになりがちで、Bくんは寂しい思いをしていたようです。カエルを殺すことは、最初はBくんのストレス発散であったのかもしれません。それが日常化してしまった背景には、おかあさんの愛情が自分から離れてしまっているという誤解があったように思えます。おかあさんはBくんにも愛情を持っていたと思うのですが、こどもははっきり態度に示さないとわからないものです。いまは幼い弟と妹に手がかかっているけれど、あなたもおかあさんの大切なこどもであると、折に触れて感じさせることが必要だったのでしょう。
カエルを殺す前に、その兆候は出ていたことと思います。寂しそうにしていたり、ふいにかんしゃくを起こしたりする変化を見逃さず、愛情を具体的に示すことで、そうした被害は避けられたかもしれません。寂しさから、幼稚園や学校で他害におよぶ場合もあるようです。ほかのお子さんをいじめるなどがないよう、注意することも大切でしょう。
また、こどもが異常な行動を起こす、顔付きが変わるなどの変化に対しても気を配るべきでしょう。心の病気なのか、霊障なのかはケースバイケースでわかりにくいこともあるかもしれません。しかし、あまりにも異常な現象が起きた場合、お祓いをしてもらうなども必要かと思います。その場合、まずは地元の、素性がしっかりしたお寺さんや神社さんに相談してみましょう。
いずれにしても、小さな頃から命の大切さを折に触れて説き、無益な殺生をさせない霊的教育は重要です。「アリさんが痛がっていますよ」などと、こどもの情緒に訴えるのがコツ。理論的な理解より、感情的に理解させることで、こどもにやさしい心が育つことでしょう。幼児期の能力開発には熱心な時代なのに、そうした霊的な教育が失われつつあるのは残念なことです。
カエルは祟るのか?
動物霊というのはむずかしいもので、いわゆる「狐霊」が死んだキツネの霊ではなく、死んだ人間の怨念が生み出す霊だったりします。カエルは動物というより、両生類ですが、祟ったりできるのでしょうか?
小さな生き物であっても、命には違いありません。ですから絶対にないとは言えないでしょう。しかし、あくまでわたしの解釈ですが、Bくんの場合、カエルへの殺生が、動物、人間へとエスカレートしないように、何か大きな存在がご両親に教えようとしたようにも思えます。冒頭にも述べたとおり、過去の殺人犯にも生き物を殺すことからはじまって、ついには殺人を犯すことが少なくないからです。
カエルの祟りのエピソード、霊的教育の大切さなどについてご紹介しました。こども時代のことを考えれば、過去にこうした殺生をしてしまった方も少なくないことでしょう。おとなになったいま、かわいそうなことをしてしまったと後悔する心を大切にしていただきたいと思います。そこで、後半では殺生に対する心のあり方、人間と動物の正しい霊的関係についてご紹介しましょう。亡くなった飼い猫が会いに来てくれたエピソードなども交えて、お話ししたいと思います。お楽しみにお待ちくださいませ。