動物霊がもたらす怪奇現象と霊的教育について【後編】
カエルの祟り、前半では、カエルを殺すことが日常化してしまったこどもに起こった怪奇現象と、こどもを無益な殺生の罪から守る教育について、ご紹介しました。すべてにおいて、霊的に思考することは重要です。後半は殺生に対する心のあり方、人間と小さな命の正しい霊的関係についてご紹介しましょう。
わたしたちの命は殺生の上に成立している
無益な殺生が話題に上ると、「わたしはしていません」と答える方がほとんどです。しかし、ほんとうにそうでしょうか?
害虫であればいたしかたないところですが、部屋に入り込んできた昆虫をつぶしたりしている方は意外と多いようです。窓を開けて外に逃がすなど、できるだけ生かしてあげるようにしましょう。(しかし、害虫というのも、あくまで人間から見て、ということになります。虫はすべて同じ虫であり、本来はそこに優劣はありませんよね)。それでなくても、わたしたちは生きるために多くの命をいただいています。「わたしはベジタリアンです」とおっしゃる方でも、植物の命はいただいているのです。命に感謝して、お食事をすることを心がけましょう。ある神父さまは「いただきます」という日本語を絶賛していました。食べ物を大切に思う心、与えてくれた神さまや生産者の方、そしていただく命に対する感謝、すべてが含まれている言葉だとおっしゃっておられました。このすばらしい日本語を、手を合わせて口にしてからお食事をすることを忘れないでください。
いそがしい現代人は仕事の合間におむすびやサンドイッチを頬張ることもしがちですが、霊的に考えたとき、それはよくない行為になります。テレビを見ながら食べることも感心しません。きちんと食べ物と向き合って感謝しながらいただくようにすべきでしょう。いただく命への礼儀を守ること霊格を高める上でも重要です。
亡くなったペットが会いにきてくれた話
わたしはかつて2匹の猫を飼っていました。それぞれが亡くなったときの悲しみは、いまでも忘れることができません。亡くなって、しばらくたったある晩のことです。わたしは大きな人生の壁にぶつかり、苦しい毎日を送っていました。
ふとんに入ってからもなかなか寝付けません。眠れない状態で暗い寝室で考えごとをしていると、足の先にフワッとした体毛の感覚が走りました。やがておなかの上に何かが乗ってきた重みが…手を触れると、そこには亡くなった飼い猫の感触がありました。猫は個体によって匂いが違っているのですが、まちがいなく最後に亡くなったほうの猫の匂いがしたのです。
わたしはうれしくて、涙が止まらなくなりました。お骨になったはずのあの子が、わたしを心配して再びわたしに会いにきてくれた…。姿を見たかったのですが、明かりを点けたら消えてしまうだろうと、なぜか悟っていました。ですから少しでも長く居てもらえるように、そのままにしました。猫を撫でているうちに、「いつまでも落ち込んでいてはいけない。この子が天に上がれなくなってしまう。しっかり生きなければ」という思いが湧き上がってきました。いつの間にか眠ってしまい、朝になるとやはり、猫の姿はどこにもありませんでした。しかし、わたしはこれをきっかけに難局を乗り越えることができました。小さな命を大切にしたことで、すばらしい霊体験ができたのです。
小さな命を大切にしよう
いまはペットブームと言っていい状況です。多くの方が犬や猫、うさぎなどを飼っています。しかし、中には無責任な飼い主もいて、つい最近も「近所の方がお引越しして、猫ちゃんを置き去りにしてしまった」という話を聞きました。友人がエサをやっているようですが、飼い猫が野良猫になってしまった場合、1~2年ほどで亡くなってしまうことが多いそうです。
ペットはおもちゃではありません。命あるもので、家族の一員です。最後まで責任もって飼うべきです。近年、多頭飼いによる飼育崩壊、お金儲けだけを考えるブリーダーの飼育放棄など、小さな命を蔑ろにする事例が目立っています。このようなことをしていれば、運気も霊格もどんどん下がってしまうでしょう。反対に、小さな命を大切にし、慈しんでいる飼い主さんであれば、亡くなったあともペットはその方の味方となってくれます。小さな命との交流、やがて築かれる信頼関係はあなたの魂を癒し、愛情を注ぐことで霊格も高まっていくことでしょう。
殺生に対する心のあり方、人間と小さな命の正しい霊的関係についてご紹介しました。ペットが好きだけど環境的に、あるいは経済的に飼えないという方は無理をせず、ペットカフェなどで交流することをおすすめします。また、飼育を放棄されたペットの里親を探すボランティア活動では、お世話をすることも可能です。無償で小さな命のために活動することで、たくさんの気付きを得ることができるでしょう。小さな命を大切にすることは、万物の霊長としての人間の務めであり、わたしたちの霊性を豊かにすることにも繋がります。ますは感謝して日常の糧をいただくことからはじめてみましょう。