第15回 葉奈音先生色情因縁の真相について
つい最近、占いで告げられた結果を気に病んでご相談して来られた女性がいました。彼女が言うには、よく当たると評判の四柱推命の専門家の鑑定を受けたところ、命式内にかなり深刻な色情因縁が現れており、よくよく自重しなければ男性関係で身を滅ぼすことになると警告されたそうです。その時、彼女は恋人と友人の女性との三角関係で悩んでいたのですが、占い師は「これ以上、問題がこじれると刃傷沙汰などの深刻な状況に陥る恐れがあります。今後の人生にも禍根を残すので、あなたが身を引くべき」だと諭された、と。
彼女はこの鑑定結果に納得がいかず、また自分の運命に影を落としているとされる色情因縁という謎の言葉が恐ろしくなり、私に再鑑定を求めてきたのです。「元々、私が先に好きだった男性を、後出しじゃんけんで奪われた形なのです。それなのに私の方が大人しく身を引けだなんて、何だか凄く悔しくて……」と涙声で訴えておられました。
色情因縁、これは占いや心霊鑑定の世界ではよく使われる言葉です。読者の皆様の中にも、占い師の口からこの言葉を聞いたことがあるという人がいるのではないでしょうか。しかし、その実像については色々と誤解が多く、占術のプロでさえも間違った解釈をしていることがあります。中国占星術、とくに四柱推命で言われる色情因縁の代表格は、命式内に丙午の干支を持つ女性です。丙は陽の火、午は烈火の気性を表すので、この干支が四柱のうちとくに日干支にあると、その激烈な性格ゆえにパートナーの男性を支配し、凌駕しやすいと言われています。
また、多情ともなりやすく、複数の男性と関係してトラブルメーカーとなるとも言われ、江戸時代には「丙午の女は男を喰い殺す」という迷信さえ生まれたほどです。このイメージは、俗に言う魔性の女ですね。しかし丙午を有している女性の全員が、そうした人生を歩むとは限りません。スピーディでエネルギッシュな性格であることは確かですが、それが仕事面に振り向けられれば、事業や投資で大成功を収めることもできます。また家庭に収まれば、ご主人やお子さんの手綱を取って切り盛りする、陽気な肝っ玉母さんとして活躍することになるでしょう。いずれにしても、俗信が当てにならない例の典型です。これと同様に、十二運に沐浴を持つ人、あるいは咸池、羊刃などの星を持つ人も色情問題を起こしやすいとされていますが、いずれもさほどの信憑性はありませんので、もし気に病んでおられる方がいれば、どうかさっぱりとお忘れになることをお勧めいたします。
そもそも色情因縁というのは、占術の鑑定結果のみで確定できるものではありません。四柱推命などでは生まれ持った性格の傾向性を見るだけなので、それが後天的な環境の中で発現するとは限らないからです。四柱推命の教科書の意に反して、丙午や咸池を持つ大多数が貞淑で真面目なごく普通の婦人です。要するに、よほど特殊な環境下にない限り、こうした凶星の凶意は発揮されないものなのです。本来、色情因縁というのは霊的な事象が関わる問題で、多くは先祖因縁のカテゴリーに入ります。例えば先祖筋のある人物が多くの婦女を泣かせたり、残虐行為を行って人々を苦しめたりしたといった場合に、その子孫、とくに女性に恋愛や結婚のトラブルが起きることがあります。とくに明治以前の封建時代というのは、本妻以外の側室や妾を持つことが認められていました。また、身売りされて売春を強制される制度なども公認されていたため、愛情面で不遇をかこち、心身共に虐げられた女性の数も多く、そうした恨みの念が集積されて虐げた側の子孫に悪影響を及ぼしているという事例は実際の鑑定でもたまに遭遇しています。
こうした悪因縁は、何故か縁遠くて適齢期を過ぎても結婚できない、異性関係のトラブルが続出する、離婚と再婚を際限なく繰り返すなどの現象として現れることが多いのですが、ほとんどは適切な供養と浄霊で解決することができます。ですから皆様も、占い師が言う「色情因縁」という言葉に惑わされず、もし気になるようでしたら信頼できる霊能者の鑑定を受け直してみてください。多くは単なる杞憂であったとすぐ分かるはずですし、またそうでない場合でも悪い因縁を解消することは十分に可能です。
葉奈音先生
仕事のこと、人間関係のこと、家庭のこと、そして開運のことなどの相談を得意とする葉奈音先生。40代のバリバリの先生で、前世から未来まで見通す力に定評があります。守護霊からの神託も受け取ってもらえます。
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