第16回 下栄子先生愛と生霊。生霊を送られたら?送ってしまったらどうなる?
生霊とは、執着の成れの果て
「あなたの後ろに生霊が憑いていますよ」、そんなことを言われた経験のある人は、そう多くはいないでしょう。まず生霊が見える人に会うこと自体が非常にまれでしょうし、簡単に生霊に憑かれるということもないからです。ですが、 “生霊に憑かれてしまう”ことは、実際起こり得ることです。更に言えば、自分が“誰かに生霊を飛ばしてしまう”ことだってあり得ます。人の心の中に、日常では考えられないくらいの“他人への執着”が芽生えてしまった時、生霊は生まれるのです。
ではそもそも、生霊とは何なのでしょうか。人は誰でも、ふとした時に他人のことを考えます。“家族や恋人は今何をしているかな?”“近頃会っていない友達は元気にしているかな?”“近所のコンビニの店員さん、最近見ないけど辞めたのかな?”など、様々なことを思い浮かべます。このように誰かのことを考える時に、人はその人に向かって“想念”というものを送ります。想念とは目には見えない思考や感情のエネルギーのことで、微量であっても、良くも悪くも相手に影響を与えるエネルギーです。とは言え、非常に敏感な人でも、想念を送って来た人を思い浮かべることがあるくらいで、ほとんどその影響に気付くことはありません。しかし、そのエネルギーが羨んだり妬んだりといった、ネガティブなエネルギーであった場合や、想いが非常に強かった場合には、少し状況が違ってきます。
ネガティブで強いエネルギーはもとより、たとえ好意や愛の感情であっても、四六時中相手のことばかり考えてしまうような、強すぎる想いは“執着”を生みます。そうして相手にとらわれ、そこから離れられなくなると、今度は“想念”を超え、自らの“魂の一部”を相手の元へと送るようになります。執着の果てに、強いエネルギーを使って送るこの“魂の一部”が、“生霊”と呼ばれるものです。
誰かに生霊を送られたら、送ってしまったらどうなる?
もしも誰かに生霊を送られてしまったら、自分が誰かに生霊を送ってしまった時には、どのような影響があるのでしょうか。
生霊を送られた場合
執着の果てに生まれる生霊、強力な“良くないエネルギー”を含んだ魂の一部を飛ばされているわけですから、与えられる影響も良いわけがありません。生霊が与える症状のうち、もっとも現れやすいのが不眠です。不眠からおこる倦怠感や疲労感も、その中に含まれます。また、頭痛や胃の痛み、吐き気や原因不明の体調不良などの、身体的な不調。精神的に不安定になり、鬱になったり、ひどい時は自殺願望が生まれるなどの、精神的な不調もあります。その他では、運気が低下するもの特徴的で、事故やトラブルに巻き込まれることが格段に増えます。生霊を送られてしまった際には、どれか一つの症状が現れるというのではなく、程度の差はあれ、すべてが出てくると考えた方がよいです。
自分が生霊を送ってしまった場合
魂の一部をどこかへ飛ばしてしまうわけですから、送る方は相当なエネルギーを消耗します。その結果、集中力の低下、無気力、極度の疲労感、運気の低下など、送られた方と似たような症状が現れます。一番影響があるのは精神面で、ある時から急に、見るからに精神不安定になり、生気が消えたようになります。
愛が生み出す生霊
進学、就職、出世、結婚、出産など、人が人を羨んだり、妬んでしまう原因は山のようにあります。相手が自分より良いものを持っている、良い環境にいるということは嫉妬心を刺激します。しかし、もっとも人の嫉妬心をあおるものは、恋愛、不倫、略奪愛など、愛情が絡んだものです。自分の好きな人が自分ではない人と付き合っている、結婚した、自分を愛してくれていた人が心変わりをした、恋人や結婚相手が浮気をしている…などなど、こうした状況がもっとも人の心にどす黒い執着心を生み、生霊を現れやすくします。愛が生み出す、愛憎の絡んだ生霊飛ばしの例を2つご紹介しましょう。
夫の不倫相手に生霊を飛ばした女性
Aさんは結婚して5年、子供はまだおらず、夫とは共働きでした。お互いに忙しくしている中で、もしかして…と夫の浮気を疑い出してから半年。ある日、Aさんは仕事帰りに夫が不倫している現場を目撃してしまいます。Aさんは深く傷つき、一人でその悩みを抱え、自分を追い詰めていきました。どうして自分から愛する夫を盗ろうとするのかと、相手の女性を強く憎み、気付けばそのことばかりを考えてしまう。そしてある時、足元が崩れ落ちてしまうような虚脱感がAさんを襲い、何も手につかず、仕事に行くこともできなくなりました。そうして臥せってしまったAさんを心配して駆けつけた友人が、ちょっとした霊感を持っており、これではいけないと、霊能者を紹介します。Aさんが半信半疑で霊能者の元を訪ねてみたところ、そこで不倫相手の女性に生霊を飛ばしていると指摘され、更には、その生霊が女性に実害を与えていると言われてしまいます。すぐには信じられなかったのですが、その後機会をみて、夫の携帯を盗み見て確認したところ、相手の女性は少し前に、軽いながらも交通事故に遭っていました。自分の生霊がそんな不幸を招いてしまったのかと恐ろしくなったAさんは、霊能者の力を借り、生霊の浄化と波動修正を行い、相手に送ってしまった生霊を消しました。その後、すっきりした気分になったAさんは夫と別れる決意をして、新しい生活のスタートを切ります。
過去にふった女性の生霊が憑いた男性
Bさんは自分の結婚を間近に控えたある日、何となく、最近良くないことが続いていることに疑問を覚えました。最初はちょっとした仕事のミスや、プライベートでの不運が重なるくらいのことだったのですが、これまであまりなかった小さな怪我をするようになり、更には体調まで悪くなってきたところで、これは何だかおかしいと思うようになったのです。婚約者であるCさんもBさんを心配して、独り暮らしのBさんの家によく通うようになりましたが、しばらくするとそのCさんまで体調を崩してしまいます。二人とも、病院に行っても原因は不明。Bさんはその頃、あまり眠れない中で、同じ夢を見るようになりました。Cさんではない女性が度々出てきては、泣きながらBさんを責め続けます。そして最後にはその女性が化け物に姿を変えるという悪夢です。この夢を見るようになってからはますます体の調子が悪くなり、ついには会社まで休むようになってしまいます。夢の中の女性は顔がはっきりせず、誰だかわかりません。しかし、夢だけでなく、自分しかいない部屋で人の気配を感じたり、人影を見るようになってから、Bさんは意を決してお寺にお祓いに行くことにしました。そこで住職に、過去にBさんがふった知人の女性、Dさんの生霊が憑いていると言われます。BさんはCさんと付き合っている時にDさんに告白されたので、特に深く考えず、適当な態度でふってしまっていました。今回は、そのふられた恨みを抱えながらも、Bさんを諦め切れずにいたDさんが、二人の結婚を知ったことで嫉妬心が高まり、生霊を飛ばしていたようです。二人の人間に実害を与えるほどのDさんの生霊。住職が行った生霊返しでは、込められていたネガティブなエネルギーがそのままDさんに返り、今度はDさんが相応の不幸に見舞われたとのことです。
生霊を送らない、送られないために
最初にも少し触れましたが、生霊と何らかでも関係ができることは非常にまれです。しかし、誰にでも生霊を送ってしまう可能性はあり、送られてしまう可能性もあります。では、それを未然に防ぐにはどうすればいいのでしょうか。
一番良いのは、人に恨まれない、妬まれない言動をとることです。そして自分が何かに執着しそうになった時には、なるべくそこから意識をそらすようにしましょう。なんだ、そんな簡単なことか、と思われるかもしれませんが、これが意外と難しかったりします。愛情が絡むものにおいては特に、です。自分の恋愛が上手く行っていれば幸せを振りまきたくなるでしょうし、上手く行っていなければ心の苦しみから目を背けることができないでしょう。ですが、たまには自分を客観視して、自分の言動を省みるようにすると、直さなければならない問題点が見えてくるはずです。どのような時も、目の前にある状況にのめり込むのではなく、自分が多くの人と関わり、その中で生活しているのだということを忘れずにいてください。そうすれば生霊などとは縁のない、心穏やかな生活を送ることができるでしょう。
下栄子先生
花染が鑑定を開始した当初から在籍し、その頃から人気を博している下栄子先生。幅広い層から人気を集めているのは、丁寧なアドバイスと正確な霊視の賜物。鑑定後に、多くのファンレターが届くほどの人気振りです。
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