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霊能者による開運講座

第29回 葉奈音先生霊格の高い人、低い人

霊格の高い人、低い人

全ての人は生物であると同時に、魂を持つ霊的存在でもあります。医学的見地から見れば、生きているということは肉体が活動しているということになりますが、霊的な見地から見れば、肉体は魂の入れ物に過ぎず、人という存在を形作る本質は魂にある、と言うことができます。魂は肉体の死後も滅びることはありません。魂は死後、魂の領域に戻り、新しい存在としてふたたびこの世に転生し、別の肉体に宿ります。また死後、魂の領域に戻らずに現世に留まり続けてしまうと、その魂は不浄霊化していきます。

ひとつひとつの魂には霊格が存在しています。霊格とは、その魂の持っているレベルの高さのことです。学力診断で偏差値というものがあります。勉強ができる学生は偏差値が高く、あまり勉強ができない学生は偏差値が低くなるものです。霊格はそれと似ています。

霊格の高い人は物質主義に捕らわれない

霊格の高い人は、物やお金、性愛といった物質主義的なものにあまり捕らわれず、縁や因果、生きる意味などについて深く考えを巡らせる傾向があります。また、自分自身の欲望を刹那的に満たすためではなく、他者に与えることを通して自分自身を高めていこうとします。逆に霊格の低い人は、そういった物質主義的なものにばかり目を向ける傾向があります。頭の中は「たくさんお金があればいい」「もっと高い物が欲しい」「多くの異性にちやほやされたい」といった欲望ばかりが渦巻いています。この世の中にはそういった霊格の低い人が大勢おり、そういった人達の集団でこの社会は成り立っています。

もちろん、人として生きる上で、物やお金、性愛といった要素は必要不可欠です。私達はこの現実社会を生きているわけですから、そういったものにもしっかりと目を向けなければ、一般的な生活を送ることはできません。しかし、霊格の高い人は、それだけがこの世のすべてではない、と無意識のうちに悟っています。この世界の本質は物質主義ではなく精神世界にあると感じ取り、それを理解しているのです。「物やお金は必要なだけあればいい」「ひとりの人と愛し愛される関係であればいい」と思っています。

霊格の高い人は分不相応なものを受け取らない

例えば、誰かからいきなり「お金をあげるよ」と言われたとします。そして実際に大金を手渡されたとします。霊格の低い人は、それをなんの迷いもなく受け取るでしょう。「ラッキー」としか思いません。しかし、普通の人であれば「ありがたいけど、一体なぜ自分にお金を渡してくるのだろう?」と少し警戒するでしょう。

そして、霊格の高い人はもっと違う考え方をします。本来、物やお金は自分が何かを差し出した対価としてもらうもの。しかし、いきなり他人から謂れのないものをもらうと、本来、因果の法則における“果”のはずのものが“因”になってしまいます。他人から謂れのない物をもらった分の代償を何か別のかたちで支払う羽目になるのです。

代償が一体どういった形かは分かりません。後で「あの時お金をあげたんだからこうしてよ」と要求されるかもしれませんし、自分はお金持ちであると錯覚して感覚が狂い、将来的に破滅に向かってしまうかもしれません。ですから、霊格の高い人は「このお金は私には分不相応だ。得てしまうことで、私自身に悪影響を及ぼすことになる」と受け止め、それを断ります。

霊格の高い人は、自分の力で手に入れられるだけの物しか必要としません。「もっと欲しい」「もっと満たされたい」と多くを漁る真似はしないのです。日々を慎ましやかに生きていけるだけの物があり、自分が自分であり続けることができればそれで良く、むしろ多くの物を持ち過ぎて自分自身を見失ってしまうことを恐れます。僧侶や聖職者が慎ましやかな生活をしているのは、そういう理由があるのです。

霊格を高めるために必要なのは自分を受け止めること

しかしながら、普通の人がそこまでの高みに辿り着くことは中々できません。多くの人は物や他人に囲まれていないと不安になり、「もっと欲しい」「もっと満たされたい」と思ってしまいます。

人はもっと物事の本質を見極める目を養うべきです。それは自分自身、この世界、全てにおけるものです。「なんでも多く持っていればいい」という貧困な発想ではなく、何が必要で何が不必要か、そしてそれはどれだけ必要であるか、どれ以上は不要か、しっかり見極めるべきなのです。自分の魂の成長を阻害する物に縛られない潔さが求められています。

まずは、あなた自身がどういう者であるかを出来るだけ正確に知りましょう。そして、そういう自分を“そういうものである”と、泰然自若と受け止めましょう。霊格の高い人とそうでない人の違いは、自分自身を受け止めているかどうか、という。霊格の高い人は「自分はこの大きな世界のひとつであり、いつでも世界と繋がっている。そして、この物質世界は表面部分に過ぎず、その奥には魂の領域が広がっている。だから必要以上の物や他人に囲まれていなくても平気である」と、絶えず感じているのです。

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