占術紹介

じょうれい浄霊

何らかの理由によって死後もなお現世にとどまり続けている霊体を浄化し、霊界へと送り出すことを浄霊と言います。除霊との違いは、除霊が霊体を憑依者の肉体・精神から引き剥がす行為を指すのに対し、浄霊は霊体そのものを現世から消す行為を指します。ふたつは混同されがちですが、本質的には全く異なる行為です。また、除霊より浄霊のほうが行為としてのレベルが上、といった捉え方をする方もいらっしゃいますが、決してそのようなことはなく、ケースバイケースで用いられるものであると言えます。たとえば、現世に未練を残してさまよう霊体に対して、その未練を消化させないまま強制的に霊界に送り返すことも可能ですが、そうした場合、霊体は未消化の念を残したまま不安定な状態で霊界に戻ることになりますから、生まれ変わりの際にそれ相応の報いを受けることになります。不浄霊を浄化することが必ずしも良いこととは限らないのです。

しかし、浄霊を行う際には除霊も同時に行われる場合がほとんどです。浄霊とは、霊を説得して未練を聞き届け、その苦しみを癒し霊界に案内する、という行為ですから、そのためにまず生者の肉体に憑依した状態から引き剥がし、霊体そのものを独立させた状態にする必要があります。また術者によってはあえて自らの肉体に憑依させることで霊体の逃げ道をふさいでから対話を試みる者も少なくありません。浄霊の際にはその対象となる霊体と思念で対話する必要がありますから、対話の場をどうにかして設ける必要があるのです。

霊体とはいえ、元々は生きていたものですから、どうすれば成仏するかも生きていた時の未練に掛かっています。どうにかして望みを叶え、現世への執着を断ち切れば、その霊体は自然と霊界に返っていきます。そういった意味では、もともと人間だった者の霊体は浄霊しやすい存在です。動物霊の浄霊はそれよりも厄介です。一体何に対して執着しているのか、どうすれば満足するのか、それを解き明かす難易度はもともと人間だった霊体より遙かに難易度が高いといえるでしょう。そして、相手が人間霊や動物霊でない場合、精霊や神霊であった場合は、浄霊はほぼ不可能です。そういったものは人間霊や動物霊と違って元々霊的な存在ですから、浄化するという行為は完全に人の業を越えています。例えば、土地の神に祟られたり、山の神に魅入られたりした場合。優れた術者であれば「去っていただく」「許していただく」ようお願いすることは可能です。しかし、それは除霊の延長線上にあたる行為であり、浄霊ではありません。

また、本当に優れた霊能者は、霊体を無理やり浄霊するような行為は決してしません。霊体の未練を聞き届け、願いを叶えることで、霊体に自然と「霊界に返ろう」と思わせ、自らの意思で返るようにします。優れた霊能者は霊的な面だけでなく人格面でも優れた存在なのです。

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