れいさ霊査
占い鑑定の内容に関して、その問題点に霊的な関与があるかどうかを判定する作業のことを、霊査と言います。わかりやすく言えば、「恋愛がうまくいかない」という問題を相談してきた鑑定希望者に対して、その理由を「本人と相手との関係によるもの」か「因果応報によるものか」か「運気の低下によるもの」か「低級霊の憑依によるもの」か、それを判断する、ということです。この能力は、率直な話、目に見えてはっきりとした的中や解決、成就に直接結びつくものではありません。しかし、問題の根本的原因を霊的な方面から正確に究明し、その解決策を見つけるために、極めて有効なものであると言えるでしょう。
これとよく似た術を行使する者に「審神者(さにわ)」がいます。彼らの役割のひとつに、霊的儀式でその場に呼び出した霊の正体を見極める、というものがあるのです。彼らは、儀式の場に置いて呼び出した霊が、儀式の目的に沿った利益や加護をもたらしてくれる霊か、それとも術者や依頼者の味方に扮して騙そうとしている邪悪な霊かを見分けます。霊的儀式で呼び出そうとする霊は本来であれば不浄霊ではなく、先祖霊や精霊、神霊といった清い存在です。その力を有効活用して利益を享受するのが多くの儀式の目的となります。しかし、たちの悪い不浄霊や悪しき性質を持つ精霊の中には、そういった存在のふりをして人をそそのかし、物事を悪い方向に運ばせたり、破滅に向かわせたりする者も存在しています。そういった霊質を見分けるのが審神者の役目のひとつとなります。
これは実際、霊査と極めて近い術です。「霊的見地から本質を見抜く」という意味合いにおいて、霊査と審神者の術はほぼ同一のものとして考えることも出来ます。しかし、審神者が「霊」すなわち存在の本質を見極めるのに対して、霊査は「問題」すなわち現象の本質を見極めます。この違いは極めて大きいものです。ふたつは、近似する能力をそれぞれ別の形で活かした、全く異なる霊能術である、と考えた方が賢明でしょう。
現在の相談者を苛んでいるそのトラブルが他人との摩擦によるものか、本人の霊的状態によるものか、それとも霊現象に基づくものか、あるいは単なる偶然の産物であるかを正確に調べます。この能力を会得している霊能者は、鑑定における依頼達成にあたって、より正確かつ無駄のない方法を取ることができます。多くの問題を解決するためには、とりわけ霊査を用いずとも霊視や未来予知のみで問題ありませんが、より複雑な状況や霊的に入り組んだ状態を完全解決するためには、霊査の能力が極めて有用です。