第14回 思わぬ優良物件を発見

引っ越しの物件探しで訪れた部屋で、突然目眩に襲われました

引っ越しの物件探しの際に不思議な出来事があり、お世話になりましたので、そちらを投稿させていただきます。当時、前に住んでいた物件の賃貸更新期間が迫っていたので、引っ越しを考えていました。

場所選びの条件はいくつかありました。まず会社から近過ぎず遠すぎないこと。前の物件は会社から徒歩で帰れるほど近くて、あんまり近いので飲み会で帰り辛くて仕方なかったんです。だから程々の距離を取りたいと思っていました。でも遠すぎるのも嫌なので、目安として電車で15分くらい、ドアtoドアで30分くらいの場所が条件でした。その上で、暮らしやすそうで、駅前に一通りのお店があって、家賃がそんなに高くなくて……。そう考えていくと、自然とそれに当てはまる場所は絞られていって、大体の場所が決まりました。それで実際に不動産屋さんに行って、物件を見せてもらって、2つに絞ることができたんです。その2つですごく迷っていました。

その1つは「まあ、この値段ならこのくらいだろうな」という感じだったのですが、もう1つがかなりの優良物件だったんです。常識的に考えられないくらい、というほどではありませんでしたが、この家賃でこの広さ、収納、バストイレ別、となるとなかなか見つからないだろうな、という感じで、まさに理想的でした。不動産屋さんで間取り図と家賃を見せてもらって、すぐに「お部屋を見せてもらえますか」ってお願いして、連れていってもらいました。

部屋で突然ひどい目眩に襲われ…

実際に見たお部屋もすごく綺麗で、間取り通りでした。「ここにしようかな、すぐ決めないと他の人に取られちゃいそうだし」と思った次の瞬間、私は部屋の中で突然、ものすごい目眩に襲われ、その場で倒れてしまったんです。気を失いはしませんでしたが、急に胸が締め付けられるような圧迫感を覚えて、動けなくなってしまいました。「すいません、ちょっと気分が……」そう告げると、連れてきてくれた不動産屋の社員さんは私を外に連れ出してくれました。

外に出ると少しずつ気分がよくなっていきました。すると今度は急に怖くなって「もしかして、ここ以前に自殺とか事故とかありました？」って、思わず聞いてしまいました。でも不動産屋さんは「いえ、そんなことは一切ないです。前の住人さんも6年ほど住んでいらっしゃいましたよ」と答えたんです。なんでも、事故物件には「告知義務」っていうのがあって、不動産屋さんにこういう質問をして、嘘を答えたら、それは裁判を起こせるらしいので、嘘は言ってないのだろうな、と思いました。でも、じゃあなんで私はあそこでいきなり目眩に襲われたのだろう……。それが不気味に思えて、即決を躊躇ってしまいました。

そして、その晩、電話占い花染の先生に鑑定をお願いしたんです。ご相談したのは前に恋愛相談でお世話になったことのある先生です。プロフィールに「心霊関係の相談にも強い」と書いてあったので、お願いしました。すると先生は開口一番、「かなり強烈な念がこびりついていますね。どうやら危ない場所に入られたご様子。ただでは済まなかったでしょう」と、私の身に起きたことを瞬時に察してくれました。

その部屋は色情因縁の渦巻く低級霊の巣窟

「その物件はやめて正解ですね。そこはよくありません。もうひとつの方にした方が身のためです」その後、先生はハッキリそうおっしゃいました。そして詳細を霊視で教えて下さいました。「そこには悪い念がこもっていますね。過去に人死にの類は起きていませんが、低級霊の巣窟になっています。原因は前の住人の方にあります。前に住んでいた方は独身男性で、見た目が良く、とても女遊びが激しい方だったようです。その部屋にさまざまな女性を代わる代わる招き入れ、身体の関係を持っては捨てることを繰り返していたようです。彼を恨んだり呪ったりしている女性も数名ほど居た様子。そのせいで、部屋にひどい色情因縁が染み付いています。生き霊もうろついていますね。それに誘われるように低級霊が吸い寄せられ、かなり危険な場所となっています。女性の恨みの念が残る場所ですから、女性が住んだ場合ただでは済まないでしょうね」とのことでした。そして、私がひどい目眩に襲われ倒れた場所は、ちょうど前の住人の男性がベッドを置いていた場所、とのことでした。

先生は続けて、生きている人の念の怖さについて説明してくれました。普通の人は死者霊を恐れるが、死者霊はしょせん死んだ者の霊。健康で健全な人であれば恐れるに値しない。それより怖いのは生きている人の飛ばす恨みの念や呪い、生き霊の類だ。生きた人のそういったものは死者霊の念より遙かに強く、例え霊感のない者であっても、まともに受ければただでは済まなくなる。人のネガティブな感情がこびりついた場所は運気を下げ、さらに死者霊を吸い寄せる性質もある。本当に怖いのは生きている人の恨みだ。そう語ってくれました。

その後…

先生のお話しを聞いて、私はその優良物件をきっぱり諦める決意ができました。そして、もうひとつの「まあ、こんなもんか」といった物件を借りることにしました。現在、引っ越して数ヶ月になります。特にこれといって悪いことや不気味なことは起きていないし、思ったより住み心地も快適です。優良物件の方はそれからすぐに別の方が入居を決めたそうですが、先日ふと例の不動産屋さんの前を通りかかったら、また入居者募集の張り紙が貼ってありました。

（香枝さん 30才・神奈川県）