片思い・復縁・不倫などの恋愛でお悩みの方は当たると評判の電話占い花染の霊能者にお電話ください。人に言えない願いもお気軽にご相談を! 当たる・叶うと話題!本物の霊能者が在籍する電話占い花染
心霊現象の実話集

第16回 命懸けの復讐

先輩OLの口から飛び出した婚約者の名に愕然

命懸けの復讐

東京で会社勤めをしていた二十代の頃の話です。

当時、私は都内の女子大を卒業後、某メーカー本社の一般職に採用されて、その総務部で働いていました。とくに難しい業務や極端な残業などもなく、9時5時の気楽な勤めでしたので、余暇は専ら趣味の旅行などに費やし、それなりに充実した日々を過ごしていました。

とくに入社して2年ほど経ち、同僚の中に気の合う同性の友達が何人かできてからは、彼女たちと一緒に旅行へ出掛けたり、食べ歩きをしたりといった機会が増えました。藤倉奈美さんと出会ったのも、そんな付き合いの中でです。彼女は同じ社内の営業関連の部署で働いていた人で、入社年度は私より2年前で年齢もふたつ年上。友達グループ内の他のメンバーがほぼ全員、同期組だったこともあり、皆で彼女のことを「奈美先輩」と呼んで慕っていました。あの人はいわゆる長女気質でした。気が優しくておっとりとして、他人に対する面倒見もよく、何でも気軽に相談できるお姉さんのような存在だったのです。

そんな奈美さんの口からいきなり驚くような話が飛び出したのは、ある日の休日、いつものように皆で集まり、表参道にあるレストランでランチをしていた時でした。
「私ね、つい先週、婚約したの」
彼女が頬を赤らめてそう言うと、テーブルが驚きの歓声に包まれました。それまで奈美さんに恋人がいたことさえ、私たちの誰1人として知らなかったからです。言われて初めてあらためて見てみれば、たしかにその薬指にはダイヤのリングが輝いていました。

「おめでとうございます!」「いつの間にそんなことになっていたんですか!」「相手は誰、どんな人?」「挙式はいつですか?」その場の全員が一斉に声を上げ、奈美さんはそれを制するように手を振りながら、婚約者の男性について嬉しそうに話し始めたのです。「じつはね、同じ課の清瀬さんなの。みんな、あの人のことは知っているでしょう」。その名前を聞いた途端、私の胸の内にモヤモヤとした感情が広がりました。

二股愛の疑惑を伝えるべきかどうか迷い……

清瀬文也……、それは当時の営業部内の係長で、社内でも遣り手として知られる男性でした。仕事の手腕だけではなく私生活も華々しく、実家はかなりの資産家で父親は不動産関連企業の社長。また大学時代の友人に著名なタレントやジャーナリストなどが何人もいて、「清瀬さんと友達になると、有名人に会える」という噂まで流れていたほどです。当然ながら、周囲の女性社員の多くが彼のハートを射止めようと躍起になっていたのですが、当人はまるで相手にしていないという風でした。少なくとも表面上は……。

じつは奈美さんから婚約の話を聞くちょうど1週間前、私は偶然、ある光景を目にしていたのです。その日曜日、服を買いがてら1人で原宿へ遊びに出ていました。バーゲンでお目当てのドレスを手に入れて、ほくほく顔でカフェに入ったところ、そこに清瀬さんの姿があったのです。彼は女性連れでした。窓際のテーブルに2人並んで座り、恋人同士がよくするように互いの肩先を突いてふざけていました。一緒にいた女性は二十代の前半くらい。女優かモデルと見紛うほどの美貌の持ち主で、その飛び抜けた華やかさは店内でもかなり目立っていました。

私は向こうに気づかれる前にそっと店を出ました。清瀬さんとは会社の廊下ですれ違ったら会釈する程度の仲でしたが、こんな状況で顔を合わせたらお互いに気まずい思いをするかもしれないと案じたからです。ただ他人の空似ということもあるので、いったん外に出て、カフェの店内が見える物陰からあらためて様子を窺ったのですが、何度見返しても私服の清瀬さんに間違いありませんでした。

そんなことがあったため、奈美さんの婚約話を手放しで喜ぶことはできませんでした。もちろん、その場ではおくびにも出さず、他の女の子達と一緒にはしゃぐ振りをしていたのですが、自分が目撃した出来事を彼女にきちんと伝えるべきだったと今でも深く悔やんでいます。それからおよそ1ヶ月後、奈美さんは突然、自殺してしまったのです。

ある日、突然もたらされた訃報

その日、私が出社すると、部署内はすでに蜂の巣をつついたような騒ぎになっていました。最初に同僚から聞かされたのは、本社勤務の女子社員の1人が変死体で発見されたという話だったのですが、やがてそれが自殺であるらしいと付け加えられました。さらに午前中のうちに何本かの続報が入り、午後には総務部長や課長、人事部の役付などが来訪した警察関係者と面談し、話の全容が下まで降りてきたのは夕刻近くになってからでした。亡くなったのが奈美さんであると確定した瞬間は、目の前が真っ暗になりました。

彼女は早朝、まだ日が昇りきらないうちに自宅を出て、なぜか自分の勤める会社へは向かわず、まるで別の場所にあるオフィスビルの女子トイレ内で首吊り自殺をしたのです。通報で駆けつけた警察が遺体の所持品内から社員証を発見し、いち早く会社に連絡があったというわけです。その後、自宅から遺書らしき走り書きが発見されたことや現場の状況から自殺であると断定され、騒ぎはそれきりとなりました。

葬儀には私を含めて生前、彼女と親しかった数人で参列したのですが、ご遺族の悲しみ方は尋常ではありませんでした。とくにお母様の様子が酷くて読経の最中に失神してしまい、救急車で運ばれるという一幕もありました。親族側の席には清瀬さんの姿もあったのですが、その時の彼の態度もかなり変でした。終始、能面のような顔付きで、ひたすら口の中で何事かを呟き続けていたのです。やがてお焼香をするために彼の脇を通った際、「許してくれ、許してくれ」と小声で繰り返しているのだと分かりました。私は彼が何に対して謝罪しているのか、直感的に理解しました。(奈美さん、清瀬さんの女性問題を気に病んで自殺しちゃったんだ。それで……)

奈美は今、ここにいるんですよ

その後、荼毘に付されるお棺を見送ってから私たちは葬儀場を後にしたのですが、出入り口の門に差し掛かった辺りで和装の喪服を着た小太りの中年女性と出くわしました。奈美さんのお母様が倒れてしまった時にその女性が介抱して一緒に救急車に乗り込んだところを見ていましたので、恐らく親族の誰かであろうと思い、「お悔やみ申し上げます」とあらためて頭を下げました。すると女性はやにわに私の方を見つめ、「少しだけ、よろしいですか」と声を掛けてきたのです。わけの分からないまま、入り口脇のベンチに一緒に腰掛けて数分、言葉を交わしました。

「私、奈美の母方の叔母でございます」
「そうだったのですか。あの、それでお母様のご容体は?」

「ご心配を掛けてすみません。でも、大丈夫。姉はよくあんな風になるんです。体質っていうんでしょうかね。うちの一族にはそれが多いんです。……それよりあなた、今回のこと、自分にも責任があるんじゃないかって気に病んでらっしゃるでしょう?」

いきなりそう言われ、言葉を失いました。しかし叔母さんと名乗った女性はこちらの驚愕も意に介さず、ただ淡々と話し続けました。

「全然、そんなことはありませんから、どうかお忘れになってくださいね。奈美もそう申しておりますから」
「え?奈美さん?どういう意味ですかっ?」
「奈美ね、今ここにいるんですよ」

叔母さんがそう言ったのとほぼ同時に、葬儀場の建物と隣接する火葬場の方から凄まじい絶叫が響いてきました。そして次の瞬間、大柄な黒い影が私たちのすぐ目前を横切って街路へ飛び出していったのです。それは清瀬さんでした……。「あらま、奈美も一緒に行っちゃって。ふふ、自分のお葬式を放りだしていくなんて、しょうがない子ねぇ」。最後にぽつりと漏らし、叔母さんは涙目のまま忍び笑いを浮かべました。

私が実際に体験したのはここまでで、後は複数の人からの伝聞となります。まず、奈美さんの葬儀から半年ほど経た頃、清瀬さんが唐突に会社を辞めました。彼の部下だった同期の男性社員の話によると、表向きの理由は父親の会社を手伝うためだったそうですが、実際にはメンタルクリニック通いを続けた挙げ句の辞表提出だったとのことです。私も辞める寸前の彼の姿を何度か見掛けたことがあるのですが、わずかな期間に頬がこけるほど痩せてしまい、それが何かを探すようにせわしなく目配せをしている様子は傍目にも異様でした。

またこれと前後して、奈美さんが自殺したオフィスビルで再び自殺騒ぎがあったことも人づてに聞きました。その建物に入っている会社の女性社員が、最上階の非常階段から投身したそうです。この女性は恐らく、あの日、清瀬さんと一緒にいた美女ではないかと考えているのですが、いたずらに深入りしたくはないのでいまだに確認していません。奈美さんのお母様の実家というのは元々東北にあり、昔は霊媒や祈祷師を生業とする特殊な一族だったそうです。かなり後になって、彼女と親しかった先輩社員からこの話を聞かされて間もなく、私も会社を辞めて郷里へ戻りました。

(椛島優乃さん 36才・新潟県)

電話占い業界最古参!
支持され続ける信頼と実績の鑑定!

霊能者選びで困ったら
お気軽にお問い合わせくださいませ

鑑定のご予約やお問い合わせ

電話番号03-6627-3511

朝9時~翌朝5時(年中無休)

VISA、Master Card、JCB、AMEX、Diners、amazon pay
PAGE
TOP