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心霊現象の実話集

第21回 蜘蛛女

従兄の婚約者は絶世の美女だった

蜘蛛

花染さんには昔からお世話になっていて、とくに今の夫とまだ結婚する前には頻繁にご相談していました。HPもたまに拝見しており、最近、自分の身近に起きた不可解な出来事をぜひ取り上げていただきたいと思い、筆を取りました。

事の発端は一昨年の夏でした。お盆休みに入り、私は仕事が忙しい夫を置いて1人で北関東の実家に帰省しました。先に来ていた姉の一家とも久しぶりに再会。母の手料理を食べながらみんなでダラダラしていたら、父の大伯父に当たるお爺さんから「本家に親戚が集まっているから、おまえの一家も挨拶に来い」という連絡があり、急遽、車で出掛けることに。我が家の総本家がある場所は、市街地からはるか離れた山間の寒村。途中の道が悪くて大回りしなくてはならないため、片道だけで2時間近くかかります。姉は「せっかくの休みなのに、あんな山奥に行きたくない」とぼやいていましたが、私はちょっとした行楽ドライブ気分でした。

本家の屋敷に到着すると、先に集まっていた20人余りの親戚達が昼間からお酒を飲んで騒いでいました。子供の頃に可愛がってくれた伯父伯母や一緒に遊んだ従兄弟たちの顔もちらほらとあり、私もすぐにその輪に溶け込んで昔話に花を咲かせていたところ、横から姉が肩を叩いてきました。

「ねえ、皆美。あそこに秀ちゃんもいるよ」
言われて開け放たれた座敷の先を見ると、裏山の方から現れた男女連れが庭先へ入る様子が見えました。男性は秀一という名の従兄でした。(わっ!あの人、誰っ?)一緒にいた女性の姿を一目見て、思わず息を飲みました。まるで女優かモデルを思わせる、妖艶な美貌の持ち主でした。それが秀一さんに寄り添って、こぼれんばかりの笑みを浮かべていたのです。

その2人も宴席の端に加わり、秀一さんが連れていた女性が彼の婚約者であることが分かりました。名前は慶子さん。昨年末に共通の友人からの紹介で知り合い、お付き合いするようになったそうです。年齢は私と同じで、20代の頃にはモデルやダンサーの仕事をしていたとも聞かされました。

「分家の皆美です。よろしくお願いします。秀一さんには子供の頃、よく遊んでもらっていたんですよ」
自己紹介すると、慶子さんは婉然と微笑み、
「前に彼から聞いたことがあります。たしか都内にお住まいなんですよね」
「はい。今は旦那とS区に住んでいます」

「S区のどの辺りですか?」
「▲▲(具体的な町名は伏せます)ってマイナーな地域ですけれど、ご存知ですか?」
その瞬間、艶やかな紅い唇が歪んだのを私は見逃しませんでした。するとそこに秀一さんがすかさず割り込んできて、
「わ、偶然だね。慶子もS区の▲▲出身なんだよ」
「えっ?そうなんですか?」

再び彼女の方に目を向けると、長い黒髪が乱れるほど頭を横に振り、
「出身なんて、そんな……。まだ小さかった頃に引っ越しちゃったから、▲▲のことは全然覚えていないんです」
微かな声の震えで狼狽していることが分かりました。それが慶子さんに対して抱いた最初の違和感でした。

白い背中に浮かぶ、不気味な紋様

「皆美ちゃん、良かったら泊まって行きなよ。明日、叔父さんの家まで車で送るから」
夕方、宴席でついお酒を過ごしてしまい、別室でまどろんでいた私のところへ秀一さんがやって来て、そう言ってくれました。父の車で帰るから大丈夫と断ると、
「じつはさ、慶子と所帯を持ったら俺、東京へ出ようと思っているんだ。親父(総本家当主の伯父のこと)が援助してくれるって言うんで、今、地元でやっている飲食店をたたんで向こうでカフェでもやりたいと思ってさ……」

できれば城南地区で商売をしたいと考えているので、色々と教えて欲しいと言われました。私などの話がどこまで役に立つのかは分かりませんでしたが、熱心に頼まれたのでつい頷きました。

親戚たちが引き上げたガランとした客間で晩御飯を食べながら、伯父さん一家と3時間以上話し込みました。その間ずっと慶子さんの姿はなく、不思議に思って秀一さんに訊くと「1人で車を運転して、近くの温泉郷に出掛けた」と。「ああ見えてあいつ、温泉好きなんだよね。最近、この辺の温泉街にもスパランドみたいのが増えてるじゃん。そういう所に行ったみたい」

(婚約者の実家に初めて挨拶に来たにしては、かなりマイペースな振る舞いだな)同年代の同性の私にも、その行動はちょっと解せませんでした。しばらくして、宿泊用に調えてもらった離れの部屋へ向かいました。すると何故か私の後を、伯父さんと伯母さんがぞろぞろ付いて来たのです。

「わざわざ案内してくれなくても大丈夫だよ」
「いや、そうじゃないんだ、皆美ちゃん」伯父さんが急に暗い表情を向けてきました。
「あの娘、どう思う?今は東京じゃ、ああいうのが普通なのかね?」
「ふ、普通ってどういうこと?慶子さんに何か不審なところがあるの?」

聞き返すと今度は伯母さんが、
「私、見ちゃったの。あの人ね、背中に刺青があるのよ」
伯母さんの話によると、昨晩、慶子さんが屋敷内の風呂で入浴していた時、新しいバスタオルを出すために洗い場に入ったそうです。その時、わずかに開いた戸の隙間から裸の白い背中が垣間見え、そこには掌くらいの大きさの気味悪い刺青があった、と言うのです。

「脚を広げた女郎蜘蛛の形だった。私、腰抜かしちゃったわ。本人にも、秀一にもちょっと訊けることじゃないし。昨日の夜から、もう心配で心配で……」

昼に会ってからずっと、伯父伯母の顔色が優れなかった理由がようやく分かりました。また、慶子さんがわざわざスパランドに出掛けたのは、刺青を見られたと気づいたからかもと思いました。

「彼女、有名な歌手とかのバックダンサーやってた人なんでしょう?よく分からないけど、そういう華やかな業界人って、お化粧感覚でタトゥーを入れることがあるみたいだよ。海外のセレブなんかでもよく見るし」

その時、そんな適当な言葉で受け流してしまったことを今も深く後悔しています。何故ならそれから半年も経たないうちに、当の秀一さんが突然死してしまったからです。死因はくも膜下出血だったそうですが、高校時代に野球部で活躍した体力自慢の彼を思うと、およそ似つかわしくない亡くなり方でした。

「あの子、男を食い殺すの」

秀一さんの死と前後して、驚くべき情報が耳に飛び込みました。それを教えてくれたのは、Aさんという職場の同僚女性でした。彼女は生まれも育ちもS区▲▲という根っからのジモティで、私が同区内の医療施設に非常勤として勤めた際、仕事の段取りを教えてくれた先輩でもあります。

ある日、休憩時間の会話の中で「最近、まだ若い従兄が突然死して……」と話し始めると、Aさんが急に身を乗り出してきたのです。

「それで相手の女性、入籍して1ヶ月足らずで未亡人になっちゃって」
「それよりもその人、本当に▲▲生まれって言ったの?」
「はい。前は芸能関係の仕事をしていたって」
Aさんの目の色が変わりました。
「もしかして、下の名前はケイコ?」
「えっ!慶子さんをご存知なんですか?」

驚いて問い返すと彼女は微かに頷き、「ここじゃ話せないから」と一方的に会話を打ち切られました。そして3日後、勤務を終えて2人で立ち寄った喫茶店で、ようやく詳しい話を教えてくれたのです。

Aさんは慶子さんのことをよく知っていました。小学校から高校まで同じ学校に通っていたそうです。まだ幼い頃に▲▲から引っ越した、という本人の話は嘘だと分かりました。

「大きな声じゃ言えないんだけど、当時、あの子に関わった男、みんな死んじゃったのよ」

慶子さんがまだ小学校6年の時、下校途中、変質者に襲われそうになったことがあったそうです。すると数日後、犯人と思われる男が公園で謎の首吊り自殺をしたのだと。それを皮切りに中高の6年間、彼女にちょっかいを出した不良や、交際を求めた男子生徒がことごとく災難に遭った話を聞かされました。バイク事故、病気、自殺とAさんが知るだけでも5人以上が死んでおり、高校3年の頃には年上の既婚者と付き合っていたらしいのですが、その男性も経営していた事業に行き詰まり、妻子を巻き込んで無理心中。噂が噂を呼んでさすがに地元に住めなくなったらしく、慶子さんの卒業と同時に一家は忽然と姿を消したそうです。

背中に彫られた蜘蛛の刺青について訊ねると、Aさんはそれについては知らないと言いながらも、「あの子の母親の身体に刺青があったのは知ってる」と漏らしました。その母親というのは整体マッサージの店を営む傍ら、一部の客の求めに応じて祈祷師まがいの怪しい仕事をしていた、と。なお伯父の話によれば、秀一さんが納骨された直後から慶子さんと連絡が取れない状態が続いているそうで、彼の預金口座のお金が、その死の直前に全額引き出されていたことも判明しました。

あれから現在に至るまで、私の頭は混乱したままです。今も行方不明のままの慶子さんという女性の正体を考えると、その度に悪寒が走ります。
「みんな陰であの子のこと、蜘蛛女ってあだ名で呼んでたの。近づく男を食い殺すっていう意味」
喫茶店でAさんが最後に言ったその言葉が、どうしても脳裏から離れません。

(皆美さん 33才・東京都)

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