連続する不運は自殺した女性の地縛霊が起こしていました

都内に就職が決まり、マンションで念願のひとり暮らし。彼氏とも時間を気にせず会えるようになったし、仕事にもやる気十分で、前途洋々のはずでした。ところが、初出勤から一週間も経たないうちに高熱が出て欠勤。看病に来てくれるはずの母もぎっくり腰となって動けず、彼氏も急に長期出張。ひとりで一週間耐え抜きました。やっと出勤すると、広報部宣伝課に配属されていたのに、なぜか総務部配送課とは名ばかりの倉庫番に異動させられていたのです。さらに出張から帰ってきた彼が「急に夏美のことが嫌になった」と別れを切り出しました。

あんなにラブラブで、ケンカもしたことがないというのに…。なんでこんなに悪いことばかり続くのだろうと不安になり、以前恋愛相談でもお世話になった花染に電話しました。「貴女の部屋が視えます。首から血を流しながら泣いている女性がいます」織朔先生のその言葉に私は震え上がりました。「会社をリストラされ、恋人にも捨てられ、しかも治療が難しい病気にかかってしまった彼女は、ナイフで自分の首を切って自殺したのです。彼女は貴女が今住んでいる部屋で暮らしていました。そこの地縛霊となって棲みついたのです」思わず悲鳴を上げそうになった私は、自分の口を押さえました。

そしてしぼり出すように「先生、助けてください」と言ったのです。先生は時々強弱をつけながらお経のようなものを唱えました。どれくらい時間が経ったでしょう。お経が止み、息を切らした先生が「もう大丈夫です。地縛霊は霊界へと旅立ちました」と告げたのです。以来、また会社で異動があり、私は広報部に戻れました。そして彼氏も「なんであんなことを言ったのかわからない。ごめんな」と戻ってきてくれたのです。体調もすっかりよくなりました。引っ越しも考えましたが、自殺した女性が気の毒で、仏壇を買い、毎日手を合わせています。

(東京都・夏美さん・23歳)